Thursday, January 18, 2007

ヨーロッパ留学のすすめ

下の文章は、さる由緒正しいところに頼まれて書いた原稿だが、あまりにもとんでもなかったらしく、その後音沙汰なし。
もう1年経ったので、時効だろう。
せっかく書いた渾身の作(?)なので、ブログにのせてしまうことにした。


「ドイツ・ミュンヘンからアメリカ・ボストンへ  ヨーロッパ留学のすすめ」

アメリカ人によく、「日本とドイツとアメリカと、どこがいい?」と聞かれる。私は迷わず「ドイツ!ドイツ最高!」と言う。
何が最高って、あのヨーロッパ的ゆったりとした雰囲気だ。彼らは人生を楽しんでいる。休暇は30歳以下で27日もある。この27日というのは、土日祝日を含めない数だ。アメリカとは大違いだ。3週間まとめて休んでインドネシアに行ってきた、今度はネパールに行ってくるねなんて話もよくある。私のボスも数 週間いないと思ったら「シベリア行ってきた」なんていう。しかもクリスマスから1月最初の日曜日まで、「ボスの好意により」お休みである。怠けラボではなく、一流ラボの話である。
その有り余る休暇を利用して、旅行に行った。ミュンヘンからザルツブルクまでは電車で2時間、ウィーンまでは4時間、チューリッヒまでは4時間、夜行列 車に乗れば次の日はローマ、別の夜行列車に乗ればプラハである。飛行機で1時間でアムステルダム、ロンドン、ストックホルムに行ける。ストックホルムから 夜行列車に乗って北上すれば、北極圏でオーロラを見れる。イギリス以外の国は時差がない。アメリカのサイズからすれば、ヨーロッパ国ドイツ州という気分になる。
ラボ(研究室)ではみな英語ができる。実際私はドイツで英語を習ったようなものだ。ドイツ語は日常では必要だが、大学が無料のクラスを持っている。レス トランに行って「これ食べたい」ぐらいは話せれるようになる。窮地に陥れば英語に切り替えるか、誰かに助けてもらう。
ドイツとアメリカの違いは私の意見では、治安、タバコ、アルコールだ。ボストンでは先輩が丁寧にも、「君が住んでいる付近で銃撃があったらしいから、気 いつけーやー」というメールを送ってくれる。心配するので、とても親には言えない。ボストンはそれでも治安のいいほうと聞く。ミュンヘンでは夜2時ごろま で友達と飲んでいて、夜中にバスや路面電車に乗って、あるいは自転車で一人で帰っても何もなかった。酔っ払いはいっぱいいたが、単に酔っ払って友人と仲良 く楽しんでいるだけだ。たまに話しかけてくるが、害はなかった。ボストンで友人が親切(?)にもsex offender(強姦者)の出没する場所のマップを教えてくれた。夏に公園で全裸で日光浴をする国ドイツにはsex offenderはいないだろう。少なくともそういう話は聞かなかった。
ドイツの私のボスはヘビースモーカーだった。お昼ごはんの後に研究室のキッチンに寄って、タバコに火をつけて自分のポスドクの研究状況を聞くのが日課だった。ドイツのパーティでは必ずタバコを皆吸い始めて、部屋やレストラン、バーの空気は煙で白くなってしまう。日本では女性はほとんどタバコを吸わないから、最初は女性が吸うのを見てびっくりした。アメリカではタバコを吸うのは低所得者、あるいはタバコをやめることの出来なかった意思の弱い人である。
ミュンヘンはビール国の首都だけあって、朝から白ソーセージとプレッツェルという名のパンと一緒に1L、0.5Lのビールを楽しんでいるおじさん達がいる。またビアホールでビール片手に歌っていたり、ビアガーデンで夜遅くまでビールを飲みながら楽しくしゃべる。9月下旬になると世界的に有名なビールの祭りオクトーバーーフェストが始まる。1000人収容できると言われるテントの中で、1Lのビアマグを片手に椅子の上に立ち、歌いダンスを踊る。
一方ボストンのあるマサチューセッツ州ではアルコールを飲むとき買うときは身分証明書を見せなければいけない。外でアルコールを飲むのは”illegal(違法)”なので、バーベキューをしてもビールを飲めない。紙袋で隠して飲むそうだが、これはドイツかぶれの日本人でなくても理解がで きない。アメリカで昼間からアルコールを飲む人は人生の敗者という雰囲気を漂わせたアル中だ。
ドイツとアメリカの研究環境は変わらない。もし海外でラボを持つなんていう野望があるならば、ドイツでラボを持つにはそれこそ言語の問題があるからアメリカのほうがいいだろう。しかし、ただ「2年間ぐらい海外行って違う世界を見てこようか」と思っているならば、私は迷わずドイツ留学を勧める。どうしても英語にこだわるならイギリス留学がお勧めだ。なぜそこまで人生を楽しみつつ業績を上げることができるのか、逆になぜ日本人はそんなに働いているのかという疑問がわいてくるし、いまだに解けない。しかしドイツ人のように人生を楽しみ、なおかつ日本人として勤勉に働けば、十分留学する意味があるかと思う。

と書いて、「オクトーバーフェストで1Lのビアマグを持って踊る筆者と同僚」と題した写真を載せた。



ううむ!
われながら会心の作である。その後何回か書き直したが、第一稿が一番面白い。
これで、ますますドイツに戻りたくなった。
こんな遊びたくりの文章は、日本の由緒あるところからは受け入れられないわな、もちろん。
ちゃんと仕事もしてるんだが。。。。。。

この文章を読んで、ヨーロッパに留学したくなる人が増えることを願う。
よければ感想をどうぞ。

今日の教訓 やっぱ留学はヨーロッパだよ。

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