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2022年新年のご挨拶 ウィルスってすごい

新年あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 日本語書くのひさしぶりー。 読んでいた人はひょっとして生きていないんじゃ。。。と思うぐらい更新してなかった。「コロナで死んでるんじゃないか」と気にしてた人はご安心ください。まだコロナにはかかってません。先週にちゃんとブースター(3回目の投与)も打ったし。免疫やってるから流石にワクチンはちゃんと打つわな。 今日のアメリカのコロナ新規患者数は386920人/日! なんかの冗談ではと思うぐらいである。一応家でじーっとしてるんだけれどさー、2年もじーっとしてるとやることなくって暇だよね。。。でも今の状態だとちょっとどこか行く気にならないよねー。日本行くのもめんどくさいし、ドイツ行くのもめんどくさいし。。。。今回のアメリカのコロナ新規患者数増加も2週間前は全然大丈夫そうだったのに、はっと気づいたら大増加中。 カーブがすごすぎ。 Where did ‘weird’ Omicron come from?  (Science Magazine) によると、デルタとオミクロンはかなり違う! この違いっぷりが「ウィルスすげー」と思うところであった。オミクロンどこから来たのかまだ不明。動物園に行ったらヤギでもコロナにかかるって書いてあったし鹿もかかるって言ってたし、どこで変異がわからないよねー。 ということで年末年始の私の行動は、 とりあえず混んでそうなレストランは避ける(テイクアウト) 混んでなさそうだったら中で食べちゃう 買い物はインターネットでできるんだったらそのままインターネットでしてしまう 食料品買い物はまだ普通にスーパーマーケットでしてる であった。それにしてもやることなさすぎ。。。。 今日の教訓 ウィルスってすごいねー。

What doesn't kill you makes you stronger!

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今日の引用 What doesn't kill you makes you stronger. - Friedrich Nietzsche(ニーチェ) ドイツ語は “Was mich nicht umbringt macht mich stärker." 直訳すると、あなたを殺さないものはあなたを強くする。よく考えたらドイツ語の方のmichは「私」だから「私を殺さないものは私を強くする」ですな。「痛い目にあっても死ななければ精神的に強くなる。」みたいな感じ?  そういう名の曲もある。 さて本題に入って。 昨日発見した「論文の説明」 Targeted drugs ramp up cancer mutability(Science Magazine) 細菌が抗菌薬によって変異して抗菌薬が使えなくなるように、ガンも抗がん薬で変異して、抗がん薬が使えなくなるのではないか?という可能性を検証した研究、、、の説明。 抗がん薬でがん細胞のストレスが高くなって、それでDNAの変異が起きやすくなり(修正の酵素の働きが抑えられるらしい)、結果ガン細胞が抵抗性を獲得して増殖する、とな。 ”What doesn't kill you makes you stronger.”そのまんまやん! 今日の教訓 What doesn't kill you makes you stronger! 過去のブログ ・ Does Science Advance one Funeral at a Time? 科学の進歩は葬式ごとに行われる?

性は単純に二つではないらしい

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この前読んだ実験医学の話、「♂と♀で割り切れないヒトの性の多様性と連続性」 内容はこんな感じ。 ・Y染色体喪失とヒトの性スペクトラム ・性スペクトラムから考える哺乳類性腺 発生の分子機構 ・ステロイドホルモンと性スペクトラム ・コラム:ジェンダー・スペクトラムとは 2015年に Sex Redefined(Nature Magazine) という記事を発見して、Genetics(遺伝学)を専攻している学生と盛り上がった覚えがある。それまではてっきり性が二つしかないと思い込んでいたのだが、実は性はスペクトラムなのであった。なんと。はっきりと白黒区別のつく話じゃないらしい。 関係あるようなないような話。 This Mutant Crayfish Clones Itself, and It’s Taking Over Europe(New York Times) いわく、ザリガニの変異体ができて、メスだけで繁殖するようになったそうな。ヨーロッパで大繁殖! 他にもメスだけのイモリだったかヤモリだったかがいたような気がする。これかな。 Geckos: It's Not Always About Sex(ScienceDaily) 今日の教訓 そんな単純な話じゃないらしい。 過去のブログ ・ 脳の最大パフォーマンスを引き出すために (睡眠が大切だという話)

脳の最大パフォーマンスを引き出すために

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今回の実験医学はサーカディアン・メディシンの話 睡眠と時差ボケおよび夜勤シフトなどが身体と精神にどう影響するかの話である。睡眠の話は真剣に読む私。いや社会的にも結構な問題なような。 さて私は結構寝ているので密かに怠けモノかと思っていたのだが、尊敬する荻野さん(ハーバードで教授している先生)のブログを見たところ荻野先生も8時間寝ているらしい。 イギリス出張3(時差との戦い)ハーバード大学教授 荻野周史のブログ 睡眠について滔々と書いてある。毎日脳に最大パフォーマンスで働いてもらわないと、ハーバードで教授なんてやってられないしな。引用したくなったが、引用したら全部引用になってしまうので、やめておく。興味のある方は上のリンクをクリックしてください。 さらに調べたところ、アマゾンのCEOのベゾスも8時間寝ているらしい! Jeff Bezos explains why he thinks getting 8 hours of sleep is key to making important decisions in the workplace (Business Insider) 私の場合の対処方法 ・リビングルームは10畳ぐらいあるが、電灯は合計80ワットぐらいの間接照明。ドイツにいた時に暗かったのでそのまま暗くなった。最近すぐに眠くなるので、ひょっとしたら合計80ワットは暗すぎる?それともただの歳? ・ベットルームには遮光カーテンを使用 ・寝るところにスマートフォン置いてない。スマートフォンはほとんど音楽とStrava(ランニングapp)しか使ってない。 ・家にテレビない。子供の時に「テレビは毎日1時間のみ」というルールがあり、そのままテレビなしでもOKになった。映画はNetflixで借りて見てるけど。 ・次の日に頭がボーっとするのが嫌いなので、アルコールはほとんど飲まない(ただの歳とも言う)。 ・この前日本から帰ってきたときの時差ボケは朝日の中で走ったら治ったので、次回も時差ボケになったら朝から走ってみる予定。本当の効果なのか、プラセボなのか不明(笑)メラトニンはアメリカの薬局で処方箋なしでも買えるので使ってみたけど、私には効果なし? ・デスクワークだけでは身体が疲れないので寝れるわけがないという理由で(科学的根拠な

Biology to Live By スパムメールの対応方法

この前紹介した Algorithms to Live By にちなんで「Biology to Live By」、つまり生物学を日々の生活に応用するシリーズ、、、になるのかしら、ならないのかしら? 知り合いの荻野さん(じゃなかった、荻野先生)が、最近ブログを書き始めたらしい。 ハゲタカ(プレデター)にかかわるな!1 「私も私の同僚もいろんなハゲタカが毎日毎日、何十ものEメールを送ってくるのに辟易しています。我々の貴重な時間の無駄です。すごい害悪といえます。私はハゲタカミーティング、ハゲタカジャーナルからのEメールを一瞬で見分けることができるようになってきました。」 それで思い出した話。 私は腎臓科に所属しているのだが、腎臓のことを知らない(笑) Stanfordから来た教授(たぶん教えるの好き)がセミナーで来て喋っていてびっくりした話。 ウィキペディアより腎臓 の機能。 腎動脈から送られてきた血液は、毛細血管を経由して腎小体(マルピーギ小体)に入る。 蛋白質以外の血漿成分は一度ボーマン嚢中に濾過される。その量は通過血液の10%で、濾過された液体は原尿(尿の原料)となる。原尿は1日約200リットル作られるが、尿となるのは約1%(1.5~1.8リットル)程で、残り約99%(198リットル)は尿細管で再吸収される。 原尿のうち有効成分(全てのグルコース、95%の水および無機塩類)は腎細管を経由、残り4%の水・無機塩類は集合管を経由し、再吸収されて腎静脈に戻り、再び身体の血流にのる。残った成分(尿)は腎細管を経て腎盂に集まり、尿管を経由して膀胱に排出される。水やナトリウムの再吸収量の調節は、遠位尿細管や集合管で行われ、抗利尿ホルモン(ADH)やアルドステロン、ANPなどのホルモンが関与する。 引用終了。 Stanfordから来た教授は150Lろ過と言っていた。150Lでも200Lでもいいけど、最初ろ過してその後再吸収!!!! 腎臓ものすごい働いてるじゃん! 脳の次ぐらいにエネルギー使ってるらしい。その先生の話ではなぜそういう機能をしているか、何を排出しているか、、という話であった。 友人に「腎臓って1日150Lもろ過してるんだよ! その後再吸収しているんだよ! なんでそういうある意味無駄な方法にしてるんだろうねえ?」と話したら、 Tha

Papers of the year 2018

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Science MagazineのBreakthrough of the year 2018 を真似て、2018年記憶に残った論文リストアップ! 1. Myeloablative Autologous Stem-Cell Transplantation for Severe Scleroderma (New England Journal of Medicine) 強皮症という難しい病気を、免疫細胞全部潰したあげく本人のhematopoietic stem cells(日本語でなんていうのかしら?)を補充して治した。 強皮症って免疫の病気だったんだ! 2. Single-cell transcriptomics of the mouse kidney reveals potential cellular targets of kidney disease (Science) マウス腎臓を一つ一つばらばらの細胞にしたあげく、一つずつの細胞の遺伝子発現を測定した論文。Single-cell RNA sequencingという技術を使っている。腎臓は驚くほど複雑な構造なので、新しい技術が威力を発揮している論文。読むのが面倒なかたは Mapping kidney cellular complexity をどうぞ。 ほー、Single-cell RNA sequencingってこういう使い方すればいいんだ! 3. Kidney-infiltrating T cells in murine lupus nephritis are metabolically and functionally exhausted (The Journal of Clinical Investigation) いわく、全身性エリテマトーデスの腎臓にいるT細胞はダメージを与えているのではなく、疲れきった細胞である。むしろ保護しているほうかもしれない。 あらー、なるほど。 今日の教訓 2019年はどんな楽しい研究があるかな。

茹でガエルのたとえ その2

茹でガエルのたとえ、 昔のブログ から引用。 「言わば、茹でガエルの喩えみたいなもんですな。『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』(ウィキペディア) ちなみに、この話はウソで、カエルは後者でもちゃんと脱出するらしい。生物をなめちゃいけません。」 今日 英語版ウィキペディア でさらなる面白い文章を発見した。 In 1869, while doing experiments searching for the location of the soul, German physiologist Friedrich Goltz demonstrated that a frog that has had its brain removed will remain in slowly heated water, but an intact frog attempted to escape the water when it reached 25 °C. 適当に訳。いわく「脳を取り除いたカエルはゆっくり温度を上げていってもお湯の中に残っているが、普通のカエルは25℃になった時点で逃げようとする。」 In 1995, Professor Douglas Melton, of the Harvard University Biology department, said, "If you put a frog in boiling water, it won't jump out. It will die. If you put it in cold water, it will jump before it gets hot—they don't sit still for you." 適当に訳。「熱湯の中にカエルを入れるとジャンプせずに死亡。冷水に入れたら、お湯になる前にジャンプする。カエルはあなたの(実験の)ためにじっとなんかしてません。」とな。 これからは茹でガエルの話聞いたら笑い出し、「脳があれば飛び出すわよ、脳があればね!」と答えてしまいそうである。それにしても茹でガエルの話

Top scientists(一流の科学者)の能力 - Serendipity

Serendipityという素晴らしい単語を発見。 ウィキペディアによると 、 セレンディピティ(serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。 英語ではFreeDictionary.comによると 、 1. The faculty of making fortunate discoveries by accident. 2. The fact or occurrence of such discoveries. 3. An instance of making such a discovery. わかったようなわからんような(笑) 発見したのは The serendipity test (Nature Editorial) 。 引用。 Science-fiction writer Isaac Asimov is widely credited with saying that “the most exciting phrase to hear in science, the one that heralds new discoveries, is not ‘Eureka!’ but ‘That’s funny’.” 引用終了。 サイエンスフィクション作家のアイザック・アシモフ(私の好きなアイザック・アシモフここにも登場)の格言。 日本語訳としては、「サイエンスで聞いていて最もエキサイティングな話は、新しい発見がEurekaからではなく、「これは面白い」という(偶然から)発見がされたという話を聞くことである。」(←なんか日本語訳が変ですみません)  Eurekaはウィキペディアによると 、 "Eureka!"という感嘆詞は、古代ギリシャの学者アルキメデスに帰するものである。伝えられるところでは、彼が風呂に入ったとき、浴槽に入ると水位が上昇することに気づき、上昇した分の体積は彼の体の水中に入った部分の体積に等しいとわかり、"Eureka! Eureka!"と2回叫んだという。彼は形状の複雑な物体の体積を

Nanopore sequencing(ナノポアシークエンシング)

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「 技術ってたまに飛躍的に向上するけど、その時必ずといっていいほど、あさっての方向からくるよね。既存の技術を向上したものではなく。 」と一個前のブログに書いたけど、その第二弾。 実験医学1月号の「 どこでも 誰でも より長く ナノポアシークエンサーが研究の常識を変える! 」より。 この技術、数年前にScience magazineで記事を見つけて私は大騒ぎしていた。 Pocket DNA sequencers make real-time diagnostics a reality (Science Magazine) 私は別にsequencingをするような仕事はほとんどしてないが、画期的な技術が好きなのである。 百聞は一見に如かず。こんな感じ。 すごくない?すごくない? 実験医学によると、今までのシークエンサーは技術は向上したとはいえ、サンガー法を元にしたものであるらしい。ということで、改めてサンガー法の説明ビデオ。 ウィキペディアによるとサンガー法は1977年に開発された。 上のナノポアの仕組みはこんな感じ。 なんと言っても図る装置が非常に小さいのがすごい。実験医学によると Bento Lab と組み合わせてどこにでも持っていけるらしい。実験医学の記事にナノポアシークエンサーの長所と短所が書いてある。今のところ精度がやや低いらしいが、そんなのはきっとそのうち技術の向上でどうにかなるでしょう! 今日の教訓 ナノポアシークエンサーは画期的な技術 過去のブログ ・ Space X、車を宇宙に飛ばす その2(半永久的に保存できる360TBの記憶媒体の話) ・ DNA電気泳動のバッファー検討しなおし+エチジウムブロマイドの神話(バッファー変えてDNA電気泳動時間が半分になったこと)

Space X、車を宇宙に飛ばす その2

「Space X、車を宇宙に飛ばす」の続き。 The Falcon Heavy test flight included a copy of Isaac Asimov’s Foundation novels いわく、この前のSpace Xが飛ばしたTeslaロードスターの中には、特別なものが入っている。それはアイザック・アシモフが書いた「ファウンデーションシリーズ三作!」 ファンデーションシリーズは私も大好きである。(ちなみに アイザック・アシモフは私が働いているボストン大学医学部のAssociate professorだったらしい )全部で7冊ぐらいあり、全部英語で読んだ。その最初の三冊が小さなquartz disc(水晶の記憶媒体)に入っている。指ぐらいのサイズのその記憶媒体が保存できる容量は理論上360TB。 360TB!!!! ここにあるマックのバックアップ用のHDは4TBで、はるかに大きいですけど。 Optical Data Storage Squeezes 360TB on to a Quartz Disc—Forever によると、13.8 billion years even at temperatures of 350oF(176oC)と書いてある。とてつもなく長い期間ですな。 とてつもないサイズのハードディスクが必要そうな友人に思わず連絡してしまった。 Visualizing the brain at the level of the connectome would consume nearly half the world’s current digital storage capacity (New York Times) によると、 マウスの脳のマップを精密に記録するのに必要な容量は450,000 TB 人の脳のマップを精密に記録するのに必要な容量は1,300,000,000 TB 2014年時点の地球上の全部のハードディスクの容量は2,600,000,000 TB このquartz discだったら マウスの脳は1250枚。 人の脳は3600000枚? まだ多いけど、マウスは可能? この記憶媒体はイギリスのSouthampton大学の Arch Mission foundation で作られ

Space X、車を宇宙に飛ばす

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数日前、このビデオが友人から送られて来た。 Space X(イーロン・マスクのロケットの会社)がTeslaロードスター(イーロン・マスクの電気自動車の会社)を乗せたロケット(Falcon Heavyという)を試験飛行で宇宙に飛ばして、その車にはちゃんと宇宙服着たマネキンが運転席に座っていて、しかも「 DON'T PANIC! 」と車に書いてあるので、「これはこれは!」と思って情報をくれた、、、らしい。 さらに車にはDavid Bowie の Space Oddityがかかっているらしい! 宇宙は真空なので、音楽は全く意味がないことに注意(笑)歌詞は こっち 。 DON'T PANIC!はthe hitchhiker's guide to the galaxyという、世界に羽ばたくサイエンティストならば読んだほうがいいと私が思っている本から来ている。でないとDON'T PANICと車に書いてあっても意味がわからないではないか。。。 「利己的遺伝子」を書いたリチャード・ドーキンスもお勧めしている本。 Lament for Douglas Adams から引用。 "What I didn't know was how deeply read he was in science. I should have guessed, for you can't understand many of the jokes in Hitchhiker if you don't know a lot of advanced science." と書いてあるように、かなりのサイエンスの知識がないと、ヒッチハイカーのジョークが理解できない。 イーロン・マスクもお勧めの本。(宇宙に飛ばした車にDON'T PANIC!って書いてるんだから当然か) 14 books that inspired Elon Musk (Business Insider) 英語で読むことをお勧めする。2冊目The Restaurant at the End of the Universeは日本語のタイトル間違ってるし。「宇宙の果てのレストラン」じゃなくって、「宇宙の終わりのレストラン」。Advan

The martianが理科の教材に!

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The Martianがなんと理科の教材としてアメリカで使われているらしい! The Martianの本バージョンの日本名は「火星の人」、日本の映画名はオデッセイである。なぜオデッセイという名前にしたかは不明。 Andy Weir’s Best Seller ‘The Martian’ Gets a Classroom-Friendly Makeover (New York Times) Author(著者)によると、The Martianを発表してから先生に「学校の教科書として使いたいんだが」という問い合わせが相次いだそうな。でも160のdirty-wordがあるために許可が下りない。要するにお子様には読ませてはいけない言葉が160個あるのですな。いや、たぶんいいんだろうけど、さすがに学校の教材として使うのはいけないのですな。そこでauthorが出版社と協力してdirty-wordを外したバージョンを作ってはれて教材として使えるようになったそうな。 The Martianで私が好きなのは、problem-solving skill(問題解決能力)である。映画版は実はトラブルは半分ぐらいで、本バージョンはさらにトラブルが延々と(!)続く。それをいちいちいちいち解決していく能力がすごい!! って、Science fictionだけれど(笑) 一人で生きて行くメンタリティーもすごい! って、Science fictionだけれど(笑) ということで、どうやって理科の教材として使われてるのかは知らんが、楽しい話なのであった。まさか、ジャガイモ育てているんでは? それとも水素燃焼して水作ってる???? ついでに思い出したが、この前AAAS annual meetingがあった。AAASはかの有名なScience Magazineのグループである。たまにボストンで学会をするのである。Exhibition(学会のいろいろな企業とかが展示しているブース)とfamily science dayのところはタダで入れるのでそこに入ったら、The martianででてきた「ヒーター」が展示してあった(放射性物質は入ってない)。 ああ、あのヒーター?(笑) くわしくは Nine Real NASA Technologies in 'The

チリも積もれば山? 細菌も集まればエネルギー

Evaporation Gives Spores Energy-Generating Muscle バクテリア(細菌)のSpore(日本語でなんという? 胞子?)が水の蒸発によって縮小することを利用してみた、というビデオ。水を振り掛ければまた伸びる。 今日の教訓 いろんなことを考える人がいるねえ。 過去のブログ ・ What If? ・ ゴジラがまたアメリカに登場

What If?

What If?: Serious Scientific Answers to Absurd Hypothetical Questions 全世界のサイエンスやってる人におすすめー。 現時点でAmazon.comで1443件のレビューがあって、平均星4.6という、素晴らしい本である。 作者は ウィキペディアによると元NASAでロボットをやっていた人で、今はコミックを書いて生活 している。この本は インターネットで、「最もとんでもない質問に対して真剣に科学的に答える」というブログ が本になったものである。 そのブログのアイデアは高校かなんかでちょっと理科を教えていて、生徒がおもろくなさそうだったから、「ロード・オブ・ザ・リングでサウロンの塔が最後に倒れてソニックビーム(だったっけ?)が起こって地面が割れてたりするが、あれを起こすのは一体どのぐらいのエネルギーが必要か?」を黒板でがーっと計算したらしい。そしたら生徒が俄然のってきたそうな。 ということで、Absurd Hypothetical Questionをいつでも受け付けているらしい。ウェブサイトにメールアドレスがのっているので、良かったらどうぞ。 私のお気に入りは Steak Drop で、「ステーキを地上何mの高さから落としたら、程よく焼けるか」という話であった。「ヨーダのエネルギーはどのくらい?」も良かったし。 現在Somerville在住。本業コミックと、コミックのmerchandise(商品?)で生活しているということである。まー、この本の売り上げでしばらく大丈夫かも。 今日の教訓 サイエンスしてない人にもおすすめー 過去のブログ ・ モンテ・クリスト伯 英語版

ゴジラがまたアメリカに登場

昨日からまたゴジラがアメリカに上陸しているらしい(笑) なんでも、 Still Radioactive and Spoiling for a Fight (New York Times) によると、モスラのオスとメスがサンフランシスコで交尾して卵を産むことになっていて、それをゴジラが邪魔しにくるらしい。 なぜにサンフランシスコなぞでモスラが卵を産むのか!という突っ込みをしてしまった。孵った幼虫の食べるもの何もないぞー。大体、モスラはトロピカルの島にいて、妖精がモスラの歌歌わないと、出てこないでしょ。それとも誰かがモスラの歌をサンフランシスコで歌ったのか?  ちなみにサイエンスをしすぎるとハリウッド映画は突っ込みどころ盛りだくさんである。この前Gravityを見に行ったが、本当に突っ込みどころ盛りだくさんであった。その前に見たスーパーマンの映画(man of steel)も突っ込んだ。極め付けは数年前に見たThe fifth element(フィフスエレメント)に出て来たリー・ルー(宇宙人)のDNAは人間よりもすごくって、三重螺旋である。。。。。塩基同士がくっつくのかという問題はさておき、よじれを取るをときが大変そうである。よじれを取る酵素のビデオはこれ。 2重螺旋ならともかく、3重螺旋の時のTopoisomeraseはどうするのか! 3本のうち2本切って回してつなげないといけないけど、つなげる時に間違っちゃダメだぞ。頑張れtopoisomerase!  今日の教訓 そのうちゴジラを見に行こうっと。 追加情報 昨日から上映のゴジラだが、もう$38.5M(日本円にして38億円?)稼いだらしい。予算は$160らしい。頑張れゴジラ。 過去のブログ ・ The Hitchhiker's Guide to the Galaxy

Natureの記事

Natureの記事。 Acid-bath stem-cell study under investigation Japanese research institute launches inquiry after allegations of irregularities in blockbuster papers. David Cyranoski を日本語訳しないとー(でもめんどくさー)、と思っていたが、ふと「誰か他の人が日本語訳しているかもしれない!」と思って検索したら、ちゃんと日本語訳しているひとがいた。 理化学研究所、STAP細胞論文の調査に着手 今日の教訓 えらいよね、ちゃんと日本語訳して。 過去のブログ ・ バイオ実験イラストレイティッド

ひょー。

今日夜のBoston.comのトップ。 Eight NH patients possibly exposed to fatal brain disease at Manchester hospital なんでも、ニューハンプシャー州の病院の脳外科が、装置を借りてある患者の脳手術を行った。その後装置には普通の滅菌処理をしてから他の患者の手術を行った。 その後、患者が実は クロイツフェルト・ヤコブ病 に感染していることが判明。例の「狂牛病」である。 プリオンというタンパクの異常によって、引き起こされる。私が理解している範囲では、異常プリオンが脳みそにいって、正常プリオンのタンパク質の立体構造を異常プリオン型に変えてしまうのであった。 研究者的には、そのタンパク質が他のタンパク質の立体構造を変えることによって「感染」というところに「すげー!」と思ってしまうのであった。普通は感染とかはウィルスとか細菌とかだし。おそるべしプリオンタンパク。 だが、すげー、と感心している場合ではないのであった。異常プリオンタンパクはおそろしく安定で、ちっとやそっとでの滅菌では壊れないのである。イメージ的にはLPSである(って、全然イメージできないか)。 記事にも「化学薬品をかけてプリオンを分解しなくてはいけないが、その時は装置も使えなくなってしまう」と書いてある。 今のところ8人感染の恐れがあるそうな。どうするんだろう? アメリカの新聞のウェブサイトはコメントをかける場所があって、ああだこうだと議論がされているが。 今日の教訓 ひゃー。 過去のブログ ・ 溶けるー!

溶けるー!

今年3回目の熱波今週ボストンに到来。今日の最高気温は35℃だったのであった。夕方10時にして、外の気温は30℃。 地球温暖化反対ー!  絶対反対! 研究室の気温は25℃なので、理論上問題無いはずなのだが、なぜか仕事ものろのろなのであった。なぜに? いつも真夏に実験して間違えるので、実験スケールを半分にしてみた(笑)  それにしても、あっついんだから、昼寝ではいけないのかしら? スペインでもカンボジアでも暑いなかは昼寝だぞー!こんなに暑いのに、何故エアコンをガンガンつけてまでしてガリガリ働かないといけないのかね? 人間って貧乏性? それでついでに今日思いついたが、熱帯雨林に住んでる猿はどうして毛がいっぱい生えてるのか。。。。暑くないのか?引っ掻いても毛がいっぱいあったら問題なさそうだけれど。これは疑問である。 さらなる疑問だけれど、人間はどうして毛がはげたんだろう?(笑) 頭には毛が生えていて、他の皮膚には毛がほとんど無いって、猿から(あるいは今の猿と共通の祖先から)進化したとしたら、不思議じゃない?誰か教えてくだされ。 今日の教訓 暑いの嫌い。 過去のブログ ・ いきなり夏!

漬け物とトルマリンと遠赤外線と その2

数日前、親切な人からブログにコメントをもらった。 「はじめまして。件の漬物器ですが http://axcel.tv/news.html 消費者庁からインチキですよと周知しなさい、っていう措置命令が出ましたね。 返品、返金に応ずる用意があるらしいです。」 だそうな。どうもありがとうございます。ということで、上のリンクをそのまま引用。 ----------- 平成25年6月27日 各位 消費者庁からの措置命令に関するお詫びとお知らせ 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 この度弊社は、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第6条の規定に基づく消費者庁の措置命令(平成25年6月27日付)に従い、一般消費者の誤認を排除するため、次の通り周知致します。 弊社は、弊社取扱商品「浅漬け名人 菜漬器」という商品を販売するにあたり、平成23年12月18日から平成25年3月13日までの間放送した弊社制作のテレビショッピング番組、平成19年2月頃から平成25年2月末までの間掲載した弊社ウェブサイト、平成23年6月頃に配布した弊社カタログにおいて、例えば、弊社カタログにあっては、「ところがこの菜漬器『浅漬け名人』は、主原料であるタウマリン鉱石から遠赤外線を放出しているので、野菜の発酵熟成に必要な乳酸菌もホーロー容器に比べ、1時間に約6倍以上も増殖させます。その6倍以上もの乳酸菌が野菜の自然発酵を促進し、早く漬けあがるのです。」等と記載することにより、あたかも、当該商品を使用することにより、当該商品の原料であるとする「タウマリン鉱石」が放出する遠赤外線によって乳酸菌が短時間で著しく増殖し、これにより発酵が促進され、漬物が1時間で出来上がるかのように示す表示をしておりました。 かかる表示について、景品表示法第4条第2項の規定に基づく消費者庁からの求めに従い、各種資料を提出しましたが、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないと判断され、当該表示は、当該商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでした。 本件により、お客様をはじめとしまして、お取引先様、関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。 「措

カールセーガンのコスモス 見終わった

カールセーガンのコスモスを見終わった。 1月から見ているやつである。 アマゾンの5段階評価で、306人中273人が5、17人が4という、限りなく5に近い評価なのであった。このぐらい評価高いのは珍しい。 1980年のゆっくりテレビシリーズはゆっくりと高度な宇宙の話、生物の進化の話、物理の3次元4次元の話まで繰り広げたのであった。誰がサイエンスのどこに貢献したかの歴史の説明までつく。音楽はコスモスのために作ったと思われる音楽、あるいはクラシック音楽であった。 画像は1980年なので、あまりよろしくはないが、話に頭がついていくのが大変なので、画像の質なんてものは問題ないのである。 高度な物理と宇宙の話を英語でききながら、「この曲はなんだったっけー?」と考えて頭が大変だった! 残念ながら見終わってしまったのであった。残念ー。カールセーガンは亡くなってしまったし、続編はできそうにないし。シリーズで大学教授がこんこんと説明してくれるテレビ番組なんて、そうないのに! そして、「このぐらい説明できる能力があったらいいのになー」と思いつつ観ていたのであった。 今日の教訓 またNetflixのWatch instantlyで見ますかね。。。。 過去のブログ ・ カール・セーガンのコスモス