Posts

Showing posts from May, 2025

アメリカならでの薬の作り方

Image
「 Venture Philanthropist(ベンチャー・フィランソロピスト) 」とは、ベンチャーキャピタル(VC) の手法や考え方を取り入れて、社会的課題の解決に取り組む 慈善活動家(フィランソロピスト)のことを指します。日本語では「 ベンチャー型慈善家 」「 投資型社会貢献者 」などと訳されることがあります。  - ChatGPTによる アメリカの良いところが詰まった良い本を読んだ。これぞアメリカという感じの本である。   Breath from Salt : A Deadly Genetic Disease, a New Era in Science, and the Patients and Families Who Changed Medicine Forever   (Breath from Salt: 致命的な遺伝病、新たな科学の時代、そして医学を永遠に変えた患者と家族たち) Cystic fibrosis( 嚢胞性線維症) の患者とその家族(主に両親)の話である。 嚢胞性線維症 は遺伝性の病気で、昔は2−3歳ぐらいで肺の感染で死んでいたらしい。両親は二つの遺伝子のうち一つが変異していても病気を発症しない。だが、子供に遺伝して子供の遺伝子の両方が遺伝変異を持っていた場合は病気を発症する。  患者さんの親がCystic Fibrosis Foundation(CFF)を作って寄付を集め、お医者さんと協力してアメリカ各地に 嚢胞性線維症の 治療センターを作り、さらに寄付を集めて大学の研究者に投資して研究してもらい遺伝子を特定してもらい、さらに寄付を 集めて会社に投資して薬を合成およびスクリーニングしてもらい、途中でその会社 は他の会社に買われてしまったのでそこにも投資してさらに薬を作ってもらって臨 床試験を行ってもらい、つぎつぎと薬の認可にこぎつける。会社に投資した時 に契約をちゃんとしていたので、CFFは薬の収益をもらって次の投 資を行う。。。という話である。  本の最初の頃に出てくる患者さんは大学行くまで寿命が無かったのだが、読み進めるうちに治療方法が開発されてきて、患者さんは大学に行くことを考え始めて、大学に行っている患者さんが出てきて、その後子供を持つことを考え始めてとだんだん寿命が長くなって今や...

研究留学実践ガイド表彰される

知り合いから連絡があった、 UJA(United Japanese Researchers Around the World) という会があるのだが、先週大会があって、それで私が執筆に参加した 研究留学実践ガイド がUJA科学広報賞 に表彰されたそうな。 2025年 UJA科学広報賞   このUJAを立ち上げた 佐々木さん は、昔ボストンにいた時に知り合った。サイエンスを語りだすと止まらない人である。シンシナティでfaculty positionをとった後UJAを立ち上げ、今も頑張っているようである。私も昔日本人のコミュニティを作っていたのでわかるが、海外に出たらお互いに助け合って生きて行ったほうが良いのである。情報交換。一人一人の情報は大したことはないが、皆で合わせると結構良い量。先輩がどうやってアメリカのfaculty positionをとったかなど、「先達はあらまほしきものなり」である。その一つのツールとして日本人のコミュニティなのである。   今日の教訓  先達はあらまほしきものなり。 過去のブログ ・ 研究留学実践ガイド