読書について
この前 スマホを使いすぎて、バカになっていませんか?(日経ビジネスオンライン) で読んで新鮮だったので、引用。 ショーペンハウアー(哲学者) の「読書について」という本かららしい。 読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。習字の練習をする生徒が、先生の鉛筆書きの線をペンでたどるようなものである。だから読書の際には、ものを考える苦労はほとんどない。自分で思索する仕事をやめて読書に移る時、ほっとした気持ちになるのも、そのためである。だが読書にいそしむかぎり、実は我々の頭は他人の思想の運動場にすぎない。そのため、時にはぼんやりと時間をつぶすことがあっても、ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失って行く。 ・・・ 熟慮を重ねることによってのみ、読まれたものは、真に読者のものとなる。食物は食べることによってではなく、消化によって我々を養うのである。それとは逆に、絶えず読むだけで、読んだことを後でさらに考えてみなければ、精神の中に根をおろすこともなく、多くは失われてしまう。 「読書について 他二篇(改版)」、岩波書店、1983、127ページ 今日の教訓 肝に命じておく。 過去のブログ ・ うずまき猫のみつけかた