AIとのおつきあい

2024年1月号の実験医学の特集は、「AI・シミュレーションによる科学的発見は可能か」である。

 最近はどこでもかしこでもAIである。特集から引用

 ”発見そのものに気づくことができる各ドメインの専門知識を有し、かつ、AIの長所と短所を理解し使いこなすことができる専門家の育成が必要だろう”

 ということで、AIを無視というわけにもいかず、逆に丸投げというわけにはいかないようである。もう一つ学ぶことが増えた????  

昔新しい実験機器をいろいろ試しながら使っていたら同僚に「Are you getting know each other? (機械と)お知り合いになってるの?」と言われたことがある。ChatGPTもいろいろ放り込んで、何が得意で何が下手なのかを試しているし、AIともお知り合いになるのが良いのかもしれない。末長いお付き合いになりそうである。

実験医学の特集は希少疾患への応用とかについても書いてあって、興味深かった。

友人に勧められたSTATのポッドキャストをジョギング中に聞いているのだが、こちらもAIについての特集である。

 

AIで使う情報が平常と病気の状態とは違うので、病気の状態での情報を使わないといけないそうである。

それとDiscovery(最初の薬の候補を見つけるところ)にAIを使うよりも、臨床試験のPhase III(日本語で何ていうか忘れた)のところで失敗しないようにAIを使ったほうが良いのではないかという話だった。確かにPhase IIIはお金と時間がかかる。患者さんの選び方とか、考えるだけでも大変そうである。

興味のあるかたはぜひポッドキャストをどうぞ。

次はちょっと脱線して複数標的薬について

生物にはredundancyが組み込んである。RedundancyについてもChatGPTに説明してもらう。

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Redundancy(リダンダンシー)は、ある機能や情報が冗長であることを指します。これは、特定の機能やデータが複数の方法で提供され、もし一部が失われた場合でも全体の機能が維持されるようになっている状態を指します。Redundancyの導入は、システムやプロセスの信頼性や安定性を向上させるために行われることがあります。

例えば、コンピュータシステムにおいて、冗長なハードウェアやバックアップシステムを用意することで、システムの障害や故障に対する耐性を向上させることができます。同様に、通信システムにおいても冗長性が重要であり、複数の通信経路やバックアップ回線が確保されていることで、通信の信頼性を確保することができます。

Redundancyは、予期せぬ問題や障害に対処するための手段として幅広い分野で利用されています。

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生物は何十年も壊れないように、あるいはウィルスや細菌に乗っ取られないようにシステムを作り上げている。一個の回路が壊れても他の回路が動いていたら問題なしとか、そういうふうにできている。50年壊れずに動いている機械とかあまりみたことない! 逆に考えると、「薬で一つの回路押さえたぐらいじゃ他のが動くから難しくない?」と以前から思っていたのである。 実験医学の1月号の複数標的薬開発の成功が意味するところ によると、同じようなことを考える人がいたらしい! 素晴らしい。
 
複数標的薬については ChatGPTから一部抜粋。 

 --- 複数標的薬(Multi-Target Drugs)は、通常、一つの標的に作用する従来の薬物とは異なり、複数の生物学的標的に同時に作用することを特徴とする医薬品です。これにより、疾患の多様な原因や病態生理学的メカニズムに対して効果を発揮し、治療効果の向上や副作用の軽減が期待されます。 複数標的薬は、従来の単一標的薬よりも広範な治療効果をもたらす可能性がありますが、同時に副作用の管理や安全性の確保も重要な課題となります。 

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 複数標的薬の開発とかはAI使うと良いかもしれないそうな。なるほど。複数の回路を同時に抑える薬とか、考えるだけでも頭が痛くなる。たぶん人間がするよりもAIのほうが得意無ような気がする。

今日の教訓 AIとはお知り合いになりましょう

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