映画ツイスターに見る研究費獲得方法

というすごいタイトルにしてしまったが、昨日みた映画の話。まずウィキペディアからの引用

『ツイスター』(Twister)は1996年に公開されたアメリカ映画である。アメリカの竜巻多発地帯を舞台として、竜巻に極限まで接近し、危険な観測に挑む竜巻研究者夫婦の姿を描いた。

スピルバーグ製作総指揮、監督はヤン・デ・ボンである。脚本をマイケル・クライトンが担当した。ヤン・デ・ボンの監督作としては『スピード』に続く第2作である。コンピュータグラフィックスによって迫力ある竜巻がリアルに再現された。視覚効果はILMが担当している。

引用終了

今からネタばれまくりになるので、ご注意ください。

研究者のジョー(女性)は、昔竜巻のせいでお父さんを失ったために、「竜巻警報の予測精度をあげるため」竜巻の研究をしている。離婚寸前の旦那のビルがやってきて、離婚を迫るが、彼が昔にデザインした「ドロシー」(ドロシーはオズの魔法つかいのドロシーね)というセンサーを使って竜巻の動きのデータをとるというジョーの話にのって、一緒に竜巻を追いかける。
そこに企業からお金をもらった研究者グループが競争相手として名乗りをあげて、話がややこしくなる。 
あれやこれやでジョーとビルは竜巻で結構死にそうになりながら、やっとドロシーを打ち上げてデータを取り、ジョーは「やっとこれで研究費が獲得できる! これでラボを運営できる!」と言って喜びながら終わり。

すごくないー? マイケル・クライトンどんだけ内部事情知ってるねん!

NIHの研究費申請書では、
Significance(なぜその研究が重要か)
Innovation(新規性)
Research Strategy(研究方法)

という3つを書く。審査では「PIのプロダクティビティ」と「Institute(所属施設)の充実度」の5分野で採点される。
ということで上の竜巻研究について。

Significance 竜巻警報の予測精度をあげることが肝心。映画では「3分しかなかったので逃げ遅れた」というおばさんが出てきていた。3分じゃ怖いよねー。映画を見たときに、どうして竜巻の避難所は家から少し離れてるのか?と思っていたが、最後でわかった。家がぶっ壊れるからである。地下に逃げて上で家がぶっこわれていたら話にならない。

Innovation ビルがデザインしたセンサー。Innovationは新しいツールか、天地をひっくり返すような(?)全く新しいコンセプトかのどちらかである。新しいツールのほうが書きやすいと思う。

Research Strategy これは方法を書くのだが、Preliminary data(予備実験)がなくてはいけない。ジョーのグループもドロシーを4台作成して、いろいろ改善しまくっていた。最後の一番でかい竜巻でデータがちゃんと取れているので、あとはデータ分析のみ! それにしても命がけでPreliminary dataを獲得しないといけないのか??

ということで、まずもって政府系の研究費獲得は間違いないな。
競争相手がIndustry-funding(企業からお金をもらって研究する)というところも面白いんですけど。この競争相手、メディア系の対応もしっかりしてるし(笑)

映画はどこで撮ったのかしらないが、晴れていたり曇っていたりとややこしかった。まあいいんだけれど。それでSharknado(シャークネード)を思い出した。Sharknadoはサメが竜巻から降ってきて襲ってくるという、ものすごいクリエイティブなB級映画である。数年前の映画だが、あまりのバカバカしさに大評判になった。B級映画好きという日本人の友達と一緒に見たが、その友人は呆然としていた。

今日の教訓 それにしても映画みて研究費獲得方法を見てるって、私大丈夫かしら?

過去のブログ
マサチューセッツ州西部で竜巻発生+その嵐。

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