我が家のオートクレーブ・マシーン

私の勝手な意見だが、単身アメリカに渡る時に重要なのは、英語の勉強もそうであるが、料理の練習である。

始めてアメリカに渡ったのは2000年のサンフランシスコでの学会であった。あまりの食事のまずさにびっくりした。教授におごってもらったステーキに至っては、「ソースなんかかけなくていいから、醤油持ってきて!」と思ったものである。(思っただけで言ってはいないが。)
別のレストラン(確かHard Rock Cafe)で食べたハンバーガーは、あまりにも大きかったので、ナイフとフォークを使って食べていた。「他の人はどういう風に食べているんだろう」と思って横を見ると、図体のでかいアメリカのおっちゃんがハンバーガーを押しつぶして食べていた。あまりのことに呆然としたものである。

オレンジジュースとスターバックスのラテ(「ラテ」と発音しても全然通じない)が一応美味しかった。「この二つがあれば一応暮らせる。しかしこの国に来るには料理が出来るようになっておいたほうがいいかもしれない」と思ったものである。高校1年生の時に行った「ソビエト連邦」で食べた食べ物のほうが断然美味しかった。ロシアのサイエンスがアメリカ並みだったら、私はロシアを留学先として選んでいたかもしれない。

そういうことで、サンフランシスコから日本に帰ってからは、「曲がりなりにも食べれるもの」を作れるよう、練習をしたものである。自分で作った「曲がりなりにも食べれる物」は、アメリカの大学のカフェの食べ物よりもおいしかったりするのである。そしてカフェの食べ物も1年もたてば飽きる。従って料理の出来る人達はランチを持ってくる。何も日本の弁当のように手の込んだものではなくてよいのである。サンドイッチだけの人もいるし、昨日のレストランで食べた物の残り物を持ってくる人もいる。冷凍の「ピザ」とかを持ってくる人もいるが。


さて料理であるが、狭い狭いアパートでも、買って良かった物がある。それはPressure cooker(圧力鍋)である。ライフサイエンス系研究者の人ならわかると思うが、理論はオートクレーブ(高圧蒸気滅菌)と同じである。121℃で20分かどうかは不明だが、加熱して、圧力かけて、出来上がり!
前使っていた物はもっと安いアルミ製の圧力釜だったが、圧力を下げる時にやや怖いので、ステンレス製のちょっとおしゃれなのを買ってみた。少なくとも蒸気が逃げる方向はどっちなのかわかるので、用心できる。最初はちょっと怖かったが、すぐ慣れた。

使い方は下のYoutubeをごらんあれ。英語の練習にもどうぞ。

圧力鍋の使い方およびレシピなどはこっち
肉がすぐ柔らかくなるので、シチューやカレーには非常によろしい。

圧力鍋がうちに来てからは、同じぐらいのサイズの普通の鍋はしまわれてしまったのであった。「コトコト煮ている隣でじっといる」なんてことは、仕事している人には無理なのである。それに圧力かけて20分ぐらい経ってからフタを開けなければ無菌状態だし!

今日の教訓 圧力鍋最高!

過去のブログ
食欲をそそる映画、食欲をそそらない映画
サムライ国より包丁来る

Comments