ポスドク先の探し方 ドイツ編

ポスドクをする研究室の探し方はこんな感じであった。

まず、自分のやっている分野で行きたいところを論文で全部ピックアップした。
論文にはたいていボスのメールアドレスが載っている。全部メールアドレスを出してきて、全員に送った。

履歴書(CV)を作成
名前、住所、どこの大学卒業して、修士課程卒業して、博士課程の何年目あるいは卒業。スカラシップ(育英会、学振など)もらってる。国家資格(薬剤師) 持ってるなどなど。海外学会発表何回したか、などなど。
でも研究者の一番大事なのは、業績である。どういう研究をしているか。それは論文をどこにどれだけ載せたかでわかる。First author(一番研究に貢献した人)のある論文がたくさんあるといいが、その他でもなるべく載せる。私の場合はFirst authorは一つだけであった。
CVを作成して、PDFファイルにして、メールに添付した。

メール本文には、簡単に言うと以下のことを書いた。
「○○教授さま。こんにちは、私は日本の○○大学の博士課程で勉強しているもので、こういうことを主にやっています。それで、こういうことを発見しまし た。お宅の研究のこの部分がこういう点で(ここは長々と書く)、非常に興味があるので、ポスドクとして雇ってもらえたら非常にうれしいのですが。。。 私 はこういうことができます。(できる実験を列挙)。よろしかったらご連絡ください。お待ちしております。敬具。自分の名前。研究室の名前、メールアドレ ス」
できる実験の列挙は重要かもしれない。MD(普通のお医者さんのこと)は、研究初めてという人もいる。実験がきちんとできるまでに数ヶ月から半年かかった りする。医者以外のPhDは即戦力という意味では使えるかもしれない。もちろん留学先でいろいろ習ったが。

しばらくしたら、返事が来る。
1.場所がない。
2.推薦状くれる? 給料持ってくる?
3.推薦状くれる?
4.まず推薦状くれる? それからこっち来て、今までやってきたことのセミナーしてくれない??

給料を持っていけない人(日本で給料やフェローシップがもらえない人)は、3番目を狙う。私もこれを狙った。
2番目を狙う場合は、給料を持っていくか、「持ってないけど、今から日本からもらえるものを応募するし、そっちで応募できるものがあれば、教えてくれな い??」を丁寧な表現で聞き返す。私の友人はこれでドイツのシュトゥットガルトに行ったようだ。フンボルト財団だったと思う。
ドイツのボスは、私のさよならパーティでこう言った。「最初にメールをもらったとき俺は2日間考えた」
全く知らない日本人を雇うというのは、相当な勇気がいるのじゃないかと思う。
雇ってくれた理由は、今思えばどうも私のしていた研究の続きが見たかったようだった。ドイツに着いて数日後に「お前の博士論文読んだぞ。ノックアウトマウ ス2匹、いや3匹あげるから、実験しろ」と言ってくれた。
それを半年放っておいた私はかなり良くないポスドクであった。ボス、すみませんでした。

業績は大切である。と人に言うより前に、書きかけの論文をどうにかしなければ。

今日の教訓 業績(論文)を持つ。

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