実験医学2023年12月号 炎症老化(Inflammaging)

 実験医学2023年12月号は炎症老化(Inflammaging) 




歳をとっていくにつれて慢性炎症が増えていく(?日本語おかしい?)話。私は100歳まで生きる気がするので切実な話である。あ、でもアメリカの食事と生活だから、もうちょっと早く死ぬかしら? でも片道1時間の自転車通勤してたしなー。今も走ってるし。。。。 

 話を元に戻して。

私は免疫に興味があるので、免疫細胞に焦点をあてる。歳をとると胸腺が老化してきて、胸腺が老化してくるとナイーブT細胞が出来なくなる。胸腺細胞については、はたらく細胞でどうぞ。はたらく細胞のせいで日本では免疫学者が増えるのかしら。。。 そうそう、この胸腺細胞教官がいなくなるのよね。どうなるんだと思ったら、胸腺は脂肪になってしまうらしい(涙)

 ナイーブT細胞ができなくなると、免疫系は新しい脅威には対応できなくなる。老人にはインフルエンザのワクチンを年に2回打つことになるのもそういうことである。免疫細胞も昔のことは覚えているけど、最近のことは覚えることは難しいからね。

老化していく免疫細胞の話を読んでるだけで悲しくなってきたが、不思議な現象も出てくるらしい。スーパーセンナリアン(110歳以上の人)の免疫細胞にはCD4+キラーT細胞があるそうな。普通はキラーT細胞はCD8+であって、CD4+じゃない!CD4+キラーT細胞って一体なに!と思って一年ぐらい経っているが、 一体何ものなのでしょう。。。なぜ興味があるかというと、以前こんなレビューを読んだからである。

 Cytotoxic CD4+ T cells in cancer: Expanding the immune effector toolbox (Immunity) CD4+キラーT細胞がガンにいて、抗腫瘍免疫に貢献しているという話。

そのCD4+キラーT細胞はお年寄りの身体で一体何をしているのか。。。謎ですねー。

次に気になったのはTertiary Lymphoid Structure(TLS)の記事。免疫細胞はウィルスとか細菌とかに出会った場合にリンパ腺に移動し増える。増えたときに綺麗な構造をつくるがこれはSecondary Lymphoid Structureと言われる。似たようなものが他の組織にできる時があってそれはTertinary Lymphoid Structureと呼ばれる。自己免疫でも出来ていたり、ガンで出来ていたりする。ちなみにTertinary Lymphoid Structureはガンでは今ホットトピック。それが年老いた腎臓で出来ていたりするらしい。一体そんなところで何をしているのか。。。。

 ということで、老化というと悲しくなるのだが、逆に考えたら60年も80年も100年もちゃんと(修理もせずに)機能しているというほうがすごいので、Biologyってやっぱり素晴らしいと思うのであった。私の自転車とか年に数回も修理に出してるぞ。

 

 他のトピック

石井先生がノーベル賞取ったKariko先生とWeissmann先生のノーベル賞についてコメントの文章を書いている。2005年のImmunityの論文がキーとなっているのだが、Kariko先生が他の有名雑誌に投稿したときにはnovelty(新規性)が無いと戻ってきたそうな。ほー。

その次に気になった記事は「運動の高血圧改善効果は 足の着陸時に生じる頭部への衝撃を介する」 この記事は、、、、難しくて説明できません(笑) 

Lab Reportを書いた人は知り合いだったので、ひさしぶりに連絡してみた。 元気にしてるかしら。

今日の教訓 Biologyってよく出来てる

過去のブログ

次世代 CAR-T細胞(実験医学2023年11月号)

Comments