次世代 CAR-T細胞


 実験医学11月号はCAR-T細胞について

 その前にChatGPTがどれだけCAR-T細胞について知ってるか、訊いてみた(笑)

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CAR-T細胞(Chimeric Antigen Receptor T-cell、キメリック・アンチジェン・レセプター T 細胞)は、がん治療の一形態として注目されている新しい治療法の一つです。これは、患者の自身のT細胞を取り出し、遺伝子組み換え技術を用いて特定のがん細胞を認識・攻撃できるように改変するものです。

CAR-T細胞療法の手順は以下の通りです:

  1. T細胞採取: 患者から血液を採取し、その中からT細胞を分離します。

  2. CAR-T細胞の作成: 取り出したT細胞に特定のがん細胞を標的とするように設計されたキメリック・アンチジェン・レセプター(CAR)と呼ばれる人工的な受容体を導入します。このCARはがん細胞を認識し、T細胞を活性化して攻撃する能力を持っています。

  3. 培養と増殖: 改変されたT細胞は培養され、増殖させられます。この過程で、十分な数のCAR-T細胞が得られます。

  4. 患者への輸送: CAR-T細胞が患者自身の体内でがん細胞と対話するために、改変されたT細胞は再び患者の体内に戻されます。

  5. がん治療: 輸送されたCAR-T細胞は、がん細胞を認識し、攻撃します。これにより、がん細胞の破壊が促進され、がん治療の効果が期待されます。

CAR-T細胞療法は、一部の特定のがんに対して非常に有効であるとされていますが、同時に副作用も発生する可能性があります。免疫系が過剰に反応することによるサイドエフェクト(サイトカイン放出症候群)や、神経系の影響を含む重篤な反応が報告されています。この治療法はまだ比較的新しいものであり、研究と開発が進行中です。

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別にCAR-T細胞の作り方までは訊いてなかったのだが、まあ良いか。

さて、このCAR-T細胞、血液系のがんにはよく効くという話だが、なぜか固形ガンは難しいらしい。私はてっきりサイズの問題で CAR-T細胞が湿潤しにくいからだと思っていたのだが(安直すぎ)、ちゃんとした理由が書いてあった。

1. 抗体医薬に比べてCAR-T細胞は感度が非常に高く、正常細胞における標的抗原の少しの発現が致死的なon target off tumor toxicityの原因となる。存在しなくてもOKな細胞をターゲットしても良いが、無くなると困る細胞には使えない。なるほどーーーー

2. CAR-T細胞のがん局所への遊走浸潤が不十分である。 呼ばれなかったら行かないわな。。。

3. 免疫抑制性腫瘍微小環境のせいで、がんまで到達したCAR-Tが免疫抑制されてしまう。抑制性サイトカインや、他の抑制性免疫細胞が邪魔をしている。あるいは組織が繊維化されて、物理的に到達できない。眠りの森の美女がイバラで囲まれてる感じなのだろうかと思うのは私だけ???

 このCAR-T細胞、がんだけではなく、自己免疫疾患の全身性エリテマトーデスの治療も検討されている。

 他にも最先端の CAR-T細胞デザインが書いてあって面白かった。

さて11月28日に出たニュース

 FDA investigates 'serious risk' of secondary cancer following CAR-T treatment(FiercePharma)

 なんでもCAR-T細胞治療で投与したCAR-T細胞ががんになってしまうケースがあるらしく、FDA(アメリカ食品医薬品局)が調査をすることにしたそうな。びっくり。

 Trouble from CAR-T Treatment? (In the Pipeline)

によると、 19の報告があるそうな。もっとも今までどのくらいCAR-Tの治療がされて、その中でどのくらい報告されたのか、何が原因なのか、いろいろ今後もチェックしたいところである。原因がわかれば対応のしようがあるし。

今日の教訓 CAR-T細胞治療もデザインもいろいろ出てきているらしい。

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