Wednesday, December 28, 2005

推薦状

ポスドクの職探しをするときに、必ず「推薦状をボスからもらって送ってくれ」と相手側に言われる。
日本にいるときは推薦状というものがどういうものだか全然わかっていなかったのだが、これは案外大切なものであることが最近わかった。

雇うほうの立場に立って見よう。たとえばあなたがドイツの教授だとする。
「どこの馬の骨ともしれない日本人」を雇うだけの決心はどこでする?
それは、元のボス(つまり日本の私の教授)に「こいつはポスドクとして使えるか? 給料払うだけ役に立つか?」と聞くことである。それが推薦状である。

そして、藤原正彦の「若き数学者のアメリカ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410124801X/250-4201507-8814624
にも同じようなことが書いてあった。親がドイツに持ってきた本を読んで納得した。

業界は非常に狭いので、もし嘘っぱちの推薦状「こいつはすごく使えるやつだ」と書いて、その人が実際役に立たなかった場合、情報は流れ、そのボスの研究室 の出身者はそれ以降雇ってもらえなくなる。
したがって、ボスはかなり正直に書くらしい。
もちろん現在のボスと大喧嘩中という人も無きにしも非ずなので、そういう場合は他の人からもらう。
ドイツのボスは2通欲しいと連絡してきたので、修士課程博士課程の指導教官と、学士の時の研究室の教授にもらった。
イギリスの研究室を就職活動したときは、3人の人から欲しいと連絡してきたので、ドイツのボス、日本の教授までは考えたが、3人目に困った。
そこで、企業に引き抜かれてしまったが、それまでよくかわいがってくれたドイツのグループリーダー(日本で言うところの助教授クラスの人。アメリカで言う ところのPI)にしようと決めつつ、ドイツのボスに「3人目誰にしたらいい?」と聞いたら、同じ意見だった。その元グループリーダーは喜んで書いてくれ た。残念なことに落っこちてしまった。

日本の教授は、「推薦状を送ったらそこに就職決定という意味になる」ということで、一通だけくれた。
ドイツのボスは、聞いたところ「3通まで相手の名前つきのをあげよう。あとは、"To whom it may concern(関係者各位殿)"をあげよう。それはどこに何通でもおくってよい」と言われた。
結局イギリスの研究室とアメリカの研究室の2通分もらったことになる。

推薦状は非常に見たくなるが、開封すると送れなくなるので注意。ドイツではボス同士が直接相手に送っていたので、見ようがないが。

私の日本の研究室とドイツの研究室は全然違う業界だったので、ボス同士のお互いの面識も全くなかったので、なぜ私を雇ってくれたかは不明だったが、ドイツ のボスはもともと日本が好きだし、それと前に来たポスドクが非常に優秀な人だったということもあるかと思う。

今日の教訓 推薦状は自分にとって良い印象を持っている人からもらう。

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