「Lost in Translation」の国にようこそ

日本の学会で招待講演をするという大ボスが私のところへやってきた。
手に小さなカードをいっぱい持っている。
「お願いがあるんだけれど、ここに書いてある英語を日本語に訳して書いてくれない? もし困ったときに見せるから」
私「ひょっとして"Lost in translation"見ましたか??」
大ボス「うん。。。」

Lost in translationは、アメリカの俳優がウイスキーの宣伝のために来日するが、日本人が英語が出来ないために、大変な目に遭うという映画だ。ある意味日本をおちょくっているのではないかとも思う。
これを日本で普通に見ても面白くないだろう。
この映画お勧めの楽しみ方は、外人と一緒に見ることである。

ドイツにいたときに研究室の友達10人ぐらいとLost in translationを見に行こうということになった。私を考慮してか、英語バージョンである。
もちろん日本語は私しかわからない。
ウイスキーの宣伝のところは楽しかった。映画館中の人々が完全にLost in translationする中で、一人日本語のわかる私だけ爆笑!
映画の終わった後、「ねえねえ、あのCMの監督なんて言ったの?絶対『Just look the camera (カメラを見て)』だけ言っていたわけじゃないでしょーーー???あんなに長いことしゃべっていたのに!」と聞いてくる。
彼らには永遠にわからないままなのだ。なぜならそこだけ字幕がついてくるわけではないから。

レストランのメニューも楽しかった。字が読めなければしゃぶしゃぶ用の肉なんて全部一緒に見える。もちろんドイツ人も笑う。

一緒に見たドイツ人、スペイン人の感想としては、
「あのホテルの窓大きかったねえ。日本の窓はあんなに大きいの?」 そう。台風の国にもかかわらず、私達は大きな窓が好き。ドイツの窓も好きだが、大きい窓もいい。
「ねえねえ、あのレストランでウエイトレスが着ている服あるでしょ? あの背中についているリュックサックみたいなのは何?」
それは帯!
「日本にディスコないって言ってたけど、あるじゃん! うそつきー!!!」
あとは最初の場面でのネオンがいっぱいの道に驚いたとか、いろいろ言っていた。確かに、あのぐらいネオンのある場所というか宣伝のいっぱいあるところは、 NYのタイムズスクエアぐらいである。というか逆にタイムズスクエアを見て、ここは東京かと思ったぐらいだ。

友人達とは、私が日本に戻ったときに、「本場の」カラオケに行こうという約束をしている。

今日の教訓 ロストイントランスレーションは外人と一緒に見ましょう。

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