空間認識能力はビジネススクールには必要ない

ハーバードMBA留学記の読書感想文を書いていたら、ハーバードビジネススクールにまつわる、私のとっておきの話を思い出した。

私はボストンに来た時にちゃんとしたベッドが無かったので、Craigslist(物の売り買いをするウェブサイトで、イーベイと違ってローカル)でベッドを買ったのであった。後でアメリカ人に「Craigslistで人の使ったベッドなんか買わないほうがいいよ。 Bed Bug(ダニとか南京虫とかの類)がいるかも知れないよ」と言われたが。
そのベッドを売ったのがハーバードビジネススクールの相手。 見学に行ったときに名刺をくれて、買うと言ったら前金を払うことを要求するというビジネスぶりだった。

ベッドを見に行った数日後、友達にU-Haul(引越用のレンタルカー)のCargo vanを運転してもらってベッドを取りに行った。ついでにLaser Printer(レーザープリンター)も買った。 ビジネススクールの彼、Laser Printerを発砲スチロールに入れて箱に入れようとするが、入らない。そこで一緒に行った友人(日本人)が箱に入れた。
その後ビジネススクールの彼にも手伝ってもらいベッドをCargo Vanに運ぶ。 ビジネススクールの彼、まずベッドの下の枠を斜めに入れた。(斜めにしないと入らない)
その次にベッドボックス(マットレスの下にあるやつ)をビジネススクールの彼は、枠と平行に重ねて入れれば入るのに、Xの方向に交差させて入れようとする。(もしくはTを135度傾けた感じね)
もちろん入らない。 (この時点で私は口の端で笑っている)
そこで、一緒に行った友人が見かねて「この方向に入れると、入るんじゃない?」と言って、ベッドの枠と平行にして、ベッドボックスをVanの中に入れた。
そして最後にマットレスである。 ビジネススクールの彼、ベッドボックスに平行に入れず、また(!)Xの方向に入れようとする。しかも、入らないおかしいなと言わんばかりにガンガン押している。(この時点で私は笑いをこらえるのに精一杯)
見るに見かねた友人(同じくにやけている)が手伝ってベッドボックスに平行に入れて、やっとベッドはVanに全部納まったのであった。 「ありがとう」と言ってVanをスタートさせた後、二人とも大爆笑!

百聞は一見に如かず。 図を作ってみた。使用したのはPowerPointとPhotoshop。


日本ではある程度の大学に入るには全ての能力が満遍なく問われるような試験をパスしなければいけない。したがって日本人は、ある程度の学力のある人は、満遍なく普通にいろんなことができるだろうと思ってしまうのである。少なくとも私はそう。 
まさか天下の、ハーバードビジネススクールの卒業生がVanにベッドを入れることができないとは思わなかったのである。 別にビジネススクールに入るときに 空間能力を問われるわけではない。 「一つだけ才能が秀でていたらいい」というアメリカの教育システムと「満遍なく」という日本の教育システムの違いを垣間見たのであった。 それと同時にハーバードビジネススクールに行く 人なんていうと、それこそハーバードMBA留学記を書いている岩瀬さんや、将来CEOになる人のエリート集団なのだろうと思ってしまうが、そういう人がいることが、なんだか安心したのであった。 ハーバードMBA留学記によると、900人(一学年900人?それとも2学年分で900人?)もハーバードビジネススクールの学生はいるそうなので、いろんな人がいるということかもしれない。
だが、これを読んで「なんだハーバードの卒業生ってそんなものか。たいしたこと無いな」と安心するなかれ。 彼らは卒業後がっぽがっぽと稼ぐのである。

今日の教訓 空間認識能力はビジネススクールの卒業生には必要ないのだ。

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